盲導犬ボランティアとして。

ブログ

30年にわたり、北海道盲導犬協会のボランティアとして関わってきた。

始まりはパピーウォーカー。
Timと名付けた盲導犬候補犬を、
生後3ヶ月から1歳まで育てた。

その後、Timは盲導犬となり、
大好きなユーザーとともに12年を過ごし、
病気などすることもなく、
生涯を健康な盲導犬として生き引退した。
私たちは老犬ボランティアとして再びTimを迎え、
17歳半まで彼と共に過ごし、最期を見届けた。

Timとの長い年月は、協会の職員である辻さんとの深いご縁も育み、
気づけば、そのお付き合いも30年になった。
その辻さんが、今年退職されると聴いたときには、胸に寂しさが走った。

Timをこの世に取り上げ、そして旅立つ時もそばにいてくれた辻さん。
協会へ行けば、真っ先に駆け寄ってハグをしてくれるその温もりは、私にとってTimそのものだ。

その辻さんの姿が協会から消えることは、
どこかで、Timまでもが遠くへ行ってしまうような感覚……。
来年、協会に行っても、あの迎えも、あの温もりも、感じられない。

人も、物も、思い出も、
少しずつ手放しながら進んでいく。

この世は、出会いがあれば別れもある。
この世の出会いと別れには、
境界線のようなものがあると考えると、
別れは永遠になってしまう。

でも、心の中の思い出には境界線はない。
今も足元を見ると、優しい目をしたTimと目が合う。

コメント

  1. お写真に写っているお二人の表情と、薫子神のブログを拝見して、胸がキュッとなりました。

    「この世の出会いと別れには、境界線などない。」と想えるようになるまでに、まだ時間がかかりそうです。
    境界線を感じなくなれば、胸がキュッとなることもなくなるのでしょうか。

    「生きている限り、その氣になればいつでも会える。」とも思っておりますが、
    それでも別れの瞬間は、寂しい氣持ちを隠すために「ひたすらに前を向かねば。」と寂しさに引っ張られない事に集中してしまいます。

    境界線を感じなければ、強がる事もなくなるのでしょうか。

  2. ゆりこ より:

    北海道では、神先生が大事にされてきた人、物、思い出にもふれさせていただきました。
    心の中を流れる灯籠をそっと優しく寄せて、お話しているようで、
    私まで温かなときを過ごさせていただきました。

    たとえ関係が目に見えにくくなっても、
    境界線なく相手との関係を紡いできていらっしゃる神先生だからこそ、
    手放しても進んでいけると仰っているのだと思いました。

    自分に省みると、私は関係を斬りすぎちゃっています。
    生徒との新たな1年は、最後にそっと手放せるように優しく関わります。

    • kaoruko kaoruko より:

      手放してもいつでも甦らせることもできるから、手放せるね。

      関係斬りすぎ……かけがいのない存在があると斬れないよ。

      盲導犬があなたに初めて寄り添った時は戸惑いの顔でしたね、でも優しさが溢れ出していました。
      あなたを連れて行ってよかった。
      また行こうね。

  3. かなみ より:

    神先生が大切にされてきたご縁のあたたかさと共に、大きな寂しさも伝わってきました。

    ご縁を育む中で魂に刻まれたものは、出会い、育み、手放すが繰り返される中で、積み重なっていくようなイメージを持ちました。
    だからこそ上っ面じゃない生き方をしていこうと改めて考えます。

    寂しいけれども前を向いて進んでいく、2024年11月11日の『お散歩』のブログの、神先生のお母様が思い浮かび、ブログ内をいったりきたりしながら読んでいます。

  4. 上中別府美名子 より:

    30年にわたる北海道盲導犬協会のボランティア活動は薫子神とTimさんのパピーウォーカーという出会いから始まりでしたが、
    薫子神ご家族とTimさんが過ごしたかけがえのない、
    愛情いっぱいの宝物時間があったおかげで、
    辻さんとの長く深いご縁につながったのだと感じました。
    車を降りて出迎えに来てくださった辻さんと薫子神のハグの横で、
    Timさんは横でシッポをフリフリして喜ばれていたのかなと思いました。
    5月で辻さんはご退職されたとしても、Timさんと仲間たちが思いっきりしっぽをフリフリしながら喜んで迎えてくれると思います。
    薫子神とTimさんから始まったボランティア活動のご縁を、繋いでいきたいと思います。 
    そして、たくさんの心温まるかわいいエピソードを聞かせて下さった事と、Timくんとの思い出がいっぱいの素敵な土地にお連れ下さった事に感謝いたします。

    • kaoruko kaoruko より:

      一緒に行ってくれて、ありがと!

      彼らの愛のエネルギーは一つの大きな輪になり、とてつもなく暖かい。
      その輪の中に協会があり、訪れる魂を無条件に丸っと包んでくれる、とんでもない場です、北海道盲導犬協会。
      今もあったかい。

      この感覚を美名子さんが肌で受け入れてくれて嬉しい、ありがとう。
      受け入れないと、こんなあったかい言葉は並ばないもん。

      また行こうね。

  5. なおみ より:

    一緒に過ごした時間や温もりは、大切な思い出として心に残り、支えとなっていると感じました。

    神先生のお言葉に触れ、いなくなったのではなく、形が変わっただけと受け取りました。
    別れは終わりではなく、今も続いていると感じ、別れの季節の中で、寂しい気持ちがふとゆるみます。

  6.  しのぶ より:

    薫子神、Timくん、辻さんとの深いご縁と、長い年月の中で丁寧に育まれてきた想いに、心が静かに温かくなりました。

    これから先、私自身も大切な人や動物との出会いと別れを幾度となく経験していくのだと思います。
    そのようなとき、「別れ」に明確な境界があるのではなく、目には見えなくとも心は確かに繋がり続けている。そのように捉えられる在り方を、大切にしていきたいと感じました。

  7. 里恵 より:

    薫子神の元でもユーザーさんの元でも幸せいっぱいのTimくんだったのですね。
    Ravennaでお聞きした今のTimくんを知った時も心が幸せでいっぱいになりました。
    お会いした事はないのですが何度読み返しても込み上げてきます。

    そして愛を持って盲導犬育成に長年ご尽力されている薫子神と辻さま。
    人生の変化としてお別れという境界線を引かなければ繋がりは途切れないのでしょうが、今まで通りにお会いできない計り知れない寂しさが薫子神と辻さまのお写真からも伺えました。
    心のうちをお伝えくださりありがとうございます。

    私はいま埼玉に帰ってからセラピストを辞めたのを目の当たりにして心に穴が空いたようでした。
    お客さま方との永遠の別れではなく優しいご縁を大切に思っていようと思いました。
    自分で選んだ道、一歩一歩精進してまいります。
    ありがとうございました。