邪魔されない意思

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20年ぶりにCafe Ravennaを3月にオープンする、今回は名前に“陰陽師”がプラスされ “陰陽師Cafe Ravenna” 。
営業日は月に10日あるかないか、午前は1時間半、しかも予約制、お昼を挟んで午後は14時からの3時間の営業。メニューは美味しい珈琲と紅茶、珈琲シュガーはあるけれど、ミルクは無し。お値段は1,500円+薫子チョイスお菓子。そして、これで珈琲、紅茶を頂いたら素敵!美味しい!、と思えるカップを取り揃え、それに似合うコースターも準備できた。

すっごい勝手なCafeだと思う。今の世の中を考えたら珈琲一杯1,500円なんてCafeがあったら行くのか?って。でもこれが私が望む “陰陽師Cafe Ravenna”。ここまで振り切れたのは、様々なヒト、モノ、コトを見させて頂いて来たから出来る事。準備を進めていても、自分の心にストップがかかるような事柄は何一つ起きていないのがその証。啓はこの流れを、ちゃんとやって来たから。女子リノベで泣いたり笑ったりしながらみんなで進んだ力が光になったんだって。光を作れるような時間を与えてもらえた。その光が歩く方向を照らしてくれたから、啓と二人でただ歩いた、だからぐんぐんと進んだ。

今朝、なんで今回はこんなに楽しく振り切れるんだろうね、と啓とまた話た。そしたら“こつるぎ”の大将の顔が浮かんだ。銀座に昔、喋っていると大将に怒鳴られる面白いお寿司屋さんがあった、名前は“こつるぎ”。今じゃコロナの関係から自分で注文用紙に記入することは珍しくないが、その当時はそんなお店は無かったから、そこからも美味しいくて変わった面白いお店と評判になっていた。

喋らないようにを心がけてお店に入ると、満席!なのに静か、お客様全員でお約束を守っている。誰も話していないから、大将の声と店員さんの声しか響いていない。案内された席は、その気難しい大将の真ん前、カウンター席だった。

緊張しながら字を間違えないように注文書に書いて渡して、お寿司が来るのを待った。周りも緊張しているのがわかる、これから美味しいお寿司が頂けるというのにお客全員の背筋が伸びている。私も背筋を伸ばしてお寿司が並ぶのを待った。緊張してまでも食べたい美味しいお寿司なんだと思えた。

お寿司が来た。あれ?納豆巻きが入っていない、思わず口に出たので大将に聞こえてしまった。

「あんた銀座に来て、今日の納豆巻きはないだろ。今日は良いあん肝が入っているから、変えといた。」『!』「上手いぞ、あん肝」『いやいや、大将の納豆巻きが食べたいから注文したのに、勝手に変えるなんて。変えて下さい、納豆巻きに。』「バカ言うんじゃない、食えよ。」『変えてください!』

ぶつぶつ言いながら大将は納豆巻きを作った。

後から、あの時お店の中がシーンとして、みんな固まってた、と一緒に行った友人から聞いた。大将は気に入らないお客さんだと、「金はいらない、出て行ってくれ。」、と捲し立てて言うらしく、ちょっとビビった。

暫くして友人からまた“こつるぎ”に誘われた。同じように納豆巻きを注文した。大将は私の前に運ばれたのを遠目で見ながら、「今日は変えないで納豆巻きにしといたよ。」と、気に入られたね薫子ちゃん、と友人に言われた。

気に入らないお客さんを怒鳴ったり、今一番美味い品に自信を持って変えてしまう職人ならではの気質。しかもそれを彼は“銀座”でやっていた。自分の作りたいお店、“こつるぎ”を愛してくれるお客さんを、少し荒っぽいけれど自分で毎日作っていたんだな、と。

今大将に会えたら、『大将のようなお店を作る姿勢は、今の私を支えている一つになっている、本当にありがたい。何ものにも邪魔されない意思は、すっごく気持ち良いもんだね!』って、お礼を伝えたい。
でももう無いんだな、“こつるぎ” も “こつるぎ” のような職人気質にあふれた空間……。
“陰陽師 Cafe Ravenna” どんな空間になるのかな?……楽しみだな……。

コメント

  1. 敦子 より:

    カフェのお話をお聞きしてから、本当にあっという間に整っていくのを見せていただいて、本当に薫子さん啓さんはすごいなぁと本当に素晴らしいなぁ、本当に感謝して學ばなければと思います。

    同じ時間を過ごしても、薫子さん啓さんはその何百倍もの全てを學びに変えて活かしているんだなぁと思います。

    まだまだまだな私に出来ることは、少しでも學びを得て実践して失敗してもへこたれず前に進むこと。

    お寿司のお話は以前お聞きした記憶があります。そしてまちづくりを薫子さん啓さんから學ばせていただいたからこそこだわりのお店が素晴らしいこともとってもわかります。

    開店前にお客様がしっかりついているってところもお二人なら当たり前なことだと思いますが本当に素敵なことだなと思います。打ち合わせで使いたいです!

    • kaoruko kaoruko より:

      あっちゃんがちょいと来るたびに変わって行ったね。
      玄関入って来て、ニコニコしている私を見て???、面白かった!
      本当に今回もびっくりする事が多かった。
      ちょっと言葉にした事がすぐに実現して行って、身が引き締まる場面も多々でした。

      もしかしたら、なんでも學びは、私と啓の特技かもしれないw

      まちづくりの學びは生きて行く上で様々、學びになってる、本当に。
      あっちゃんもzoomoで生かしているから解っている、だからこだわる意味も理解できる、嬉しい事です、ありがとう!

      是非是非、午前ご予約くださいな。
      ちなみに3月8日と10日は予約頂きました!

  2. MIKA より:

    周りを止めてしまう迫力があったんですね。
    でも、〝信〟を持つもの同志の関係には負は出てこないんだ・・と感じました。
    終わればきっとお互いがスッキリ、周りの人も安堵して後の話のタネで盛り上がりそうです。

    先生が開くCafeの空間、すごく楽しみです♪( ´▽`)

    • kaoruko kaoruko より:

      そうね、周りは話のタネ……。
      当事者は、かつての経験が宝になってるよ。

      Cafeね、私も楽しみ!o^^o)